美容医療は医療行為ですので,常に患者さんが高い満足度を得られるとは限りません。本来,術後のフォローは担当医が行うのですが,担当医が取り合ってくれない場合や,患者さん自身がもうその先生にかかりたくないという心情から受診に至らない場合などで,どうすればよいか途方に暮れている患者さんを私は時々見てきました。
フィロクリニックでは,その様な患者さんの診察もお引き受けしています。必ずしも希望に添えないこともありますが,現在の状態から,どうするべきか,どうしたらより良い状態になるかを一緒に考えます。
このほかの施術,外科手術後でお困りの方も,診察致しますので,一度ご相談下さい。
埋没法
埋没法は比較的手軽な二重整形として人気があります。しかし,軽い気持ちでこれを受けて「思っていたのと違う」となることは少なくありません。
幅が思っていたとの違う,幅に左右差がある
まず,現在術後どのくらいでしょうか。術後1ヶ月を経過していないなら,まだ完成ではありません。術前のブジーによるシミュレーションが納得のいくものであったならば,担当医を信じて様子をみるのが良いでしょう。
腫れが思っていたより強い
埋没法は比較的腫れが少ない手術ですが,それでもやはり手術ですので,全く腫れないということはありません。腫れていること自体は失敗ではありません。腫れているので抜糸をしたいという患者さんも時折いらっしゃいますが,状態にもより一概にはいえませんが,一般的に抜糸をしたからといって腫れが引くわけではありませんので,術前のシミュレーションが納得のいくものであったなら様子見をお勧めすることが多いです。
糸が出ている
埋没した糸が露出してしまうことは,埋没法のリスクの一つです。この場合はできるだけ早めに抜糸をする必要があります。
とにかく抜糸したい
手術に問題がなくても,手術をしたこと自体を後悔して抜糸を希望する患者さんも時折いらっしゃいます。そもそも二重にしたくて埋没法をしているわけですから,経過に問題がないのに抜糸をするのはもったいないと思いますので,本当に抜糸してよいかどうかはよく考える必要があります。しかしそれでも抜糸をすると決めたのであれば,早い方が良いです。
ボトックス / ボツリヌス毒素
ボツリヌス毒素は比較的手軽なシワの治療としてポピュラーです。しかし,患者さんのシワの寄り方や表情の作り方のクセを考慮せず,通り一遍の方法で注入すると,表情が不自然になったりすることがあります。ボツリヌス毒素の治療後にトラブルが起こった場合ですが,ボツリヌス毒素は3ヶ月から4ヶ月程度で効果が切れますので,まずは安心して頂きたいと思います。その上で,状態に応じてどうするかを考えます。
眉間の施術後に眉がつり上がった
眉間へのボツリヌス毒素注入ではしばしば遭遇する合併症です。追加注入で対応することが多いです。
咬筋の膨らみが余計に目立つ
咬筋への注入で時折起こる合併症です。咬筋の浅層に対する効きが相対的に弱いと,咬筋がより膨らむ様になることがあります。注入後1週間程度様子をみた上で,改善がなければ追加注入を考慮します。
左右差が生じた
まずは注入後1週間程度までは様子をみましょう。その時点で左右差が気になれば,追加注入を考慮します。しかし,場合によっては再注入するよりも効果が切れるのを待つ方が良い場合も多いです。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸の施術後のトラブルとしては,思っていたのと違う,というのが殆どでしょう。
鼻筋に注入したが形に不満がある
鼻筋へのヒアルロン酸注入は手軽な隆鼻術として人気がありますが,そもそも鼻筋を高くするにあたっては,鼻全体のバランス,額とのバランス,目との関係などを考慮する必要があります。追加注入で補正できるならばそれが手軽ですが,注入しすぎてしまっている場合にはヒアルロニダーゼで溶解する必要があるかもしれません。
ボコつきがある
浅い部分への注入後などにボコつきが生じることがあります。時間の経過とともに馴染み,改善することが多いです。
内出血がひどい
注入治療では内出血はある程度避けられないリスクです。2週間程度で改善します。
よくあるケースをいくつか挙げましたが,施術後のトラブルに対し実際にどの様な診療を行うかは場合により様々です。術後にお困りの方で,施術した施設にかかれない,又はかかりたくない方は一度当院にご相談下さい。